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名前を付ける

名前を付けるときは、読みやすくて、
誰が何をしているかがひと目でわかるようにしたかったので、
13年近く前に診療所の名前を付ける時は、
あまり考えずにとりあえず「ごう在宅クリニック」にしました。
当時は在宅の名前がついているだけでも目新しくありました。
昔はよく住宅リフォーム業者さんに間違えられましたし、
領収書に「ごう住宅クリニック」と書かれたりすることも多々ありましたが、
もう今では在宅クリニックさんはいたるところにありますし、
市内には他にもごう内科さんやごう耳鼻科さんがあるので、
うちのクリニックもありふれた感じになってしまいました。
保育園を作る時も、なんだかへんてこりんなところで区切ってしまったので、
ぱんだ保育園とかうるとら保育園みたいな可愛らしい名前にすれば良かったのに、
「ごう在宅ほいくえん」という、
クリニックを知らない親御さんにしてみればなんだこれはというネーミングになってしまいました。
そんな保育園でも毎日笑顔で働いてくれる職員さん方には本当に感謝しかありません。

そういう意味では医療法人に名前を付けるというのは、
うちのクリニックにとっては13年ぶりの大きなパラダイムシフトではありました。
「妻を愛する」会ぐらいにしてみようかなど考えたこともありましたが、
少子高齢化社会に関わるという理念があるのだからこれ以上公私混同はしてはいけないし、
先ずもって夫婦関係というものはそんなに単純なものでもありません。
うちのクリニックや保育園が毎日提供しているサービスは、
昔のように医者ひとりでできるものでは全くありませんし、
ホンネは確かにお医者さんが集まってくれれば嬉しいのですが、
それ以上にいろいろな医療者が集まってくれる場になって欲しいと思っています。
昔と同じように読みやすくて何をしたいのか誰でも分かる名前にしたかったので、
「医集会」という名前にしました。
子供に付ける時もそうでしたが、
名前というものは、親が自由に子供に与えられる唯一のプレゼントなので、
とても貴重な機会なのですが、やはり悩みます。
あれこれ悩んだ末にもうすぐ生まれるとなった時にやっとこれと決めて、
子供はずっとその名前で生きていくことになります。

僕の父親は息子の名前を「武蔵」にするか「豪」にするか迷ったらしいのですが、
両方ともなんだか強そうな名前なので、どちらにしても完全に名前負けです。
もし僕の名前が「武蔵」だったら今頃は、
北海道なのに「むさし在宅クリニック」です。
まあ、ここは日本なのに「豪」と言われたら元も子もないのですが。
いつのまにか「ごう在宅クリニック」もお医者さんが何人もいてくれて、
個人クリニックには見えない組織になっていました。
非常勤の先生を含めれば5人もお医者さんがいて、
数か月後にはまたもうひとり新しいDr.が来て下さる予定です。
もう「ごう在宅クリニック」だけでは役不足な組織です。
本当に皆さんには、感謝の言葉しかありません。

企業主導型保育園は法人でなければ作ることができなかったので、
とりあえず合同会社を立ち上げて自分が代表社員の形で法人登記をしていました。
すでに様々な医療関係者のお母様方に利用して頂いている園になっているので、
いつかは母体を移して医療法人医集会に加わる予定です。
一応扱いとしては医療法人の付帯業務という位置づけになりますが、
保育園も皆にとって、とてもとても大切な財産です。
お子さんにとっても親御さんにとってもスタッフにとっても、
名義は変わりますが実質的には何も変わりませんの安心されてください。
少しばかり書類手続きにご面倒をお掛けしますが、お許しくださいませ。
本当は園長先生の名前や、保育士さん方の名前に変えるべきですが、
一度付けた名前を簡単に変えることはいかがなものでもあるので、
このまま「ごう在宅ほいくえん」は続きます。

「ごう在宅ほいくえん」は、
保育士さんや看護師さん、社会福祉士さんと栄養士さんが集まって、
みんなで考えて運営してくれている保育園です。
同じく医集会はお医者さんや看護師さんや社会福祉士さん、
ケアマネージャーさん、それに医療事務のスタッフさん、
みんなが自分で考えて自分で動いてくれているクリニックです。
これで、リーダーになりたいと思って下さるお医者さんがいてくれれば、
「ごう在宅クリニック」から離れてそのドクターに院長になってもらうこともできます。
13年目にしていまさらながら医療法人化して良かったと思っています。
それは税金のことではなく、法人としてバラバラに運営せざるを得なかったものが、
ひとつの集まりとして方向を付けることができたからです。

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